パーキンソン病の原因は腸内環境にあり!?最新研究より
おはようございます。笠森です。
今日は、パーキンソン病の原因は腸内細菌にあるのではないか?という研究内容についてお伝えしていこうと思います。
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パーキンソン病の症状の1つ【便秘】から研究がはじまった
パーキンソン病は手足が震えたり体のバランスが上手く保てなくなる病気です。命を脅かす病ではありませんが、進行すると車椅子→寝たきりになります。2019年現在根本治療、あるいは予防する方法などは確立されていません。
脳のドーパミンの分泌が減少する病のため、これまでは脳や神経細胞に注目して研究されることがほとんどでした。
しかし、パーキンソン病患者の実に8割もの人が初期症状に【便秘】の症状を訴えている点に注目。「腸内環境が原因でパーキンソン病になるのではないか。」という仮説を元に研究する人があらわれました。
迷走神経切離術を受けた人は、パーキンソン病の発症リスクが少ない
デンマークの大学の博士が発表した論文によると、十二指腸潰瘍などの治療の一環として【迷走神経切離術】を受けた患者は、受けてない人と比べると発症リスクが半分になったと書かれています。
迷走神経は内臓と脳を繋ぐもので、副交感神経として働くのが特徴です。仮説としては腸にある病の原因物質が迷走神経を通って脳に到達。パーキンソン病を発症するのではないかということです。
それを裏付けるかのように、完全に迷走神経を切除しないと、予防できる可能性が低いという研究結果もでています。
パーキンソン病患者の腸内には、一部の細菌が少ない傾向がある
またパーキンソン病患者の便を調べたところ、健康な人と比べて【プレボテラ】と呼ばれる細菌が8割も少ない傾向があることがわかってきました。
プレボテラ属細菌は腸内において食物繊維、あるいは炭水化物などを分解する酵素が強い特徴があります。
野菜や果物など、植物性の食べ物を沢山食べる人の腸内により多く存在する傾向も。しかし、パーキンソン病の患者さんが野菜や果物を沢山食べれば腸内環境が改善されるのか?というとそうではなさそうです。
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健康なマウスに、パーキンソン病の原因のタンパク質遺伝子を移植した結果
こんどはカリフォルニア工科大学が発表した論文によると、健康なマウスにパーキンソン病の原因物質である【α-シヌクレイン】が脳内に沢山ある状態のマウスは、さらにこの物質が増加。さらに腸の機能低下、大腸の量が減ると発表しました。
パーキンソン病が原因により、運動機能が低下する傾向があることが実験によって改めてわかってきた形です。では対処療法で薬でシヌクレインを減らせば良いか?というと、そういう訳ではありません。
結局イタチごっこで根本治療につながる訳ではないからです。
パーキンソン病患者の血液の中は、ビタミンDが少ない傾向がある
また、海外だけの研究結果だけではなく、国内の研究においても、パーキンソン病患者の血液中にはビタミンDが少ない傾向があることがわかってきました。
しかもビタミンDの濃度が低ければ低いほど重症度が高いという研究結果も。
しかしこれは一部の遺伝子多型を持つ患者さんのみの結果です。さらに進行が遅れる傾向がみられたのは6割にとどまっています。
効果に個人差が大きいため何とも言えませんが、ビタミンDは花粉症や癌、骨粗しょう症の予防にも良いため、積極的に摂りたい栄養素といえます。
パーキンソン病は現在は対処療法のみの治療にとどまっていますが、近い将来根本的な治療法が見つかるかもしれません。
希望を捨てずに、毎日を生きたいものです。
お読みいただき、誠にありがとうございます。
皆様にとって「幸せ」と思える瞬間が沢山ありますように。