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パーキンソン病って何?最新の研究やどんな経過を辿るのかなどの情報をお伝えします!

おはようございます。笠森です。

 

昨日、父がパーキンソン病であること、現在一気に色んな怪我や病気が重なって動くのが困難になっていることをお伝えしました。

 

アメリカの大ヒット映画「バックトゥザフューチャー」シリーズで絶大な人気を誇っていたマイケル・J・フォックスさんやボクサーのモハメド・アリさん、ヒトラー岡本太郎といった方がこの病気になったことでも知られています。

 

今回は、知っている様で知らない「パーキンソン病」のお話を、分かりやすく解説していきたいと思います。

 

 パーキンソン病は、現代医療では完治が難しい難病です。

パーキンソン病 症状 体験談

病の原因は脳幹にあります。

パーキンソン病は、脳の「ドーパミン」という物質が減少することで、体の様々な障害がおこる神経難病です。

 

そもそもドーパミンは全身の筋肉に、例えば「腕を上げる」「足を曲げる」といった指令をだす神経伝達物質で、これが不足して体が上手く動かせなくなります。

 

2019年3月6日(水)に放送された「ためしてガッテン!」の中で、最新の研究によると、脳幹の神経細胞に「レビー小体」と呼ばれる「タンパク質の塊」が溜まることでパーキンソン病になるのではないか。とされています。

 

脳幹では体を動きを司っています。パーキンソン病では、この部分のドーパミンの性質が変わり、剥がれおちてしまいます。この剥がれおちた部分に「レビー小体」がたまっていきます。

 

レビー小体は全身の神経に溜まる可能性がある、「謎の物質」です。

 

もし大脳に溜まった場合は「レビー小体型認知症」になり、「幻覚」「幻視」、睡眠時に叫ぶレベルの大きな寝言や物を蹴るといった異常行動を起こすといった症状があらわれます。

 

レビー小体がなぜ全身の神経に溜まっていくのか、その原因は不明です。地域による発症の差はありません。50代~60代で発症することが多いです。

 

パーキンソン病の主な症状

パーキンソン病 症状 体験談

パーキンソン病の方で便秘に悩む方は8割にも及びます

 

  1. 早く歩けない、すり足で腕の振りも小さくなります。しかし、しばらく歩くと少し歩きは早くなりますが、今度は止まれなくなってしまうことも。

  2. イスに座っている時、寝ている時など、ゆっくりしている時に手や足が小刻みに震えます。何か作業をしているときにはあらわれません。

  3. 腕や足を動かそうとすると、筋肉が硬くこわばって上手く動かせなくなります。

  4. うまく姿勢が保てません。いったんバランスをくずしてしまうと、場合によってはそのまま転倒してしまうことも。

  5. 顔の表情が乏しくなる傾向があります。

 

以上が主な症状ですが、この他にも排泄障害やうつ病睡眠障害といった症状があるなど、全身に障害が及びます。

 

ちなみに父が初期から悩んでいたのが「便秘」です。パーキンソン病の「便秘」は通常の便秘とは異なり、「上手く踏ん張れない」「なんだか上手く指令が伝わっていない感覚」があるんだとか。

 

症状が進行してしまった現在では、家で浣腸をしても便が出ないため、病院に行ってその都度排泄しています。

 

この他幻覚や妄想が激しくなるなど精神的な面でも症状があらわれますが、薬が原因の可能性もあるため、薬の服用した後の症状の経過などをその都度お医者さんに相談することが大切です。

 

 

パーキンソン病と同じ症状の「別の病気」の可能性【パーキンソン症候群

パーキンソン病 症状 体験談

パーキンソン病の患者さんは、薬とは長い付き合いになります

 

薬が原因でパーキンソン病のような症状があらわれたり、他の病気でもパーキンソン病と同じ症状があらわれることがあります。

 

これを「パーキンソニズム」「パーキンソン症候群」といい、パーキンソン病とは治療が異なるため注意が必要です。

 

うつ病の薬など薬の副作用が原因でパーキンソン病のような症状がでるものを「薬剤性パーキンソン症候群」と言います。

 

精神薬や吐き気止めの薬を服用した場合でも同様の症状が出ることもありますが、いずれも薬の量を減らしたり、服用をやめる事で症状が改善されます。

 

この他に小さな脳梗塞が多発した場合や髄液の流れが滞る正常圧水頭症といった病気においても、パーキンソン病に似た症状が現れることもあるようです。

 

パーキンソン病とよく似た病気【パーキンソニズム】

パーキンソン病 MRI わからない 病気

初期はMRIでわからない病気、あるんです

 

パーキンソン病に良く似た病気はいくつかありますが、いずれも脳の神経細胞が何らかの原因で脱落してしまうのが特徴です。

 

多系統委縮症では、パーキンソン病に似た症状に加え、睡眠時のいびき・無呼吸・排尿障害などの症状があらわれます。

進行性核上性麻痺では、目の動きが悪くなったり、転びやすくなったりするのが特徴的です。

大脳皮質基底核変性症では、目が見えているのに片側のみ物を認識できない、手が勝手に動く、「こうしたい」と思っても何故か目的に沿った行動が出来なくなる傾向があります。

 

上記は、初期症状がパーキンソン病に似ているため、区別が難しい病気です。区別を難しくしているのは、パーキンソン病が初期はMRIなどの検査で異常が見つからない」こともあるかもしれません。

 

父も周囲が明らかにおかしい。と思うほど動きがおかしくなってから自分で「この病気ではないか」と発見するまで一年かかりました。一緒に病院に行ったこともありますが、実際にMRIに何の異常もなかったため何の対処もされず返された経験もあります。

 

もし、周囲にパーキンソン病の特徴に当てはまる方がいらっしゃる場合、【神経内科】を受診されることをおすすめします。

 

パーキンソン病と、よく似た病気との区別の仕方

パーキンソン病 症状 体験談

気になる症状がある方は専門家に相談しましょう。

 

  1. 症状に左右差がない、あるいは左右対称に出る
  2. 早くから転倒する
  3. 進行が早い
  4. 認知機能障害や立ちくらみ・排尿障害などの自律神経症状が強く早く出る
  5. パーキンソン病の薬が効かない

 

意外と知られていませんが、パーキンソン病の症状には左右差があるのが特徴です。私の父の場合は体の左側に症状が強くあらわれています。

 

 パーキンソン病の重症度を分類する「ヤール重症度分類」

パーキンソン病 症状 体験談

将来は車いす、寝たきりになるかもしれません

 

パーキンソン病になったからといって、すぐに死ぬわけではありません。むしろ5年、10年と長い年月をかけて進行していく病気です。

 

進行度をわかりやすく分類した、「ヤール重症度分類」があります。これで今病気がどの段階なのか、重度に分類される場合公的サービスの利用を検討するなど、対策を講じることができるでしょう。

 

軽度1・・・パーキンソンの症状が片側だけしか出現していない

軽度2・・・パーキンソンの症状が両側の手足にあらわれる

軽度3・・・歩行障害が起きたり、転びやすくなる

重度4・・・両側の手足に強い症状・自立して生活するのが難しくなる

重度5・・・一人で立てない・全面介助が必要。車椅子あるいは寝たきり

 

パーキンソン病の経過は、患者が100人いれば100人とも少しずつ違う経過を辿ります。

いずれにしても、一日も早く投薬治療を行うことでこれらの進行が抑えられます。

 

父がパーキンソン病の笠森がこれまでの治療で思うこと

パーキンソン病 薬 副作用

主治医と相談して、症状にあった薬を処方してもらうようにしましょう

 

父のパーキンソン病の経過を見ていて思うのが、「薬の副作用の怖さ」です。症状に合わせて沢山の薬を処方してくれるお医者さんもいるかもしれません。しかしこれらの薬によって、逆に症状が悪化してしまう経験を過去にしてきました。

 

大切なことは信頼できる主治医を見つけて、少しの変化でも細かく相談すること。

 

父の場合病院を3回変えています。特に2つ目の総合病院の先生があまりパーキンソン病に詳しい先生ではなく、さらにあまり話を聞いて下さらない方だったため、どんどん薬が増えて父がどんどん動けなくなってしまう結果に。

 

初めに行っていた総合病院の先生【転勤して今はいません。】はきちんと運動機能の検査をして、よく父の話を聞いて下さっていたため、信頼して受診できました。

 

2つ目の病院の先生に不信感を抱いていたので、病気の悪化に加え、信頼関係が持てなかったため専門病院に転院。

 

診察の感覚は短くなりましたが、先生は症状に合わせて薬をこまめに変えてくれます。そのため、2つ目の病院に行っていたときほど、辛い副作用は起こらなくなりました。

 

薬の量も激減。薬代が安くなったこともありがたかったです。

 

父の場合は現在骨が曲がってしまっていること、癌でもないのにガリガリにやせ細ってしまっていることも気になります。

 

父の症状がこれ以上進行せず、早くips細胞による治療が出来る様になることを願うばかりです。