ひきこもりを脱する対策とは!?②
おはようございます。笠森です。
今日は前回に引き続き、ひきこもりを脱するための対策について書いてみたいと思います。
対策する前に「どうしてそうなったのか」という原因を探ることが大切です。
そのため、ここでも前回同様精神疾患とひきこもりの対策を関連づけてご紹介します。
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気分障害とは?どんな風に接すればいいの?
全国五カ所の精神保健福祉センターを訪れているひきこもりの方152人の診断結果の中で、実に14%の方が発症していた気分障害。
皆さんが良く聞く「うつ病」「双極性障害」などが気分障害として挙げられます。
※最新の診断基準では「うつ病」「双極性障害」は別のカテゴリー扱いで、気分障害という項目として扱われていません。必要な場合のみ使われています。
うつ病・・・精神的なストレス、あるいは肉体的なダメージが重なるなど、長期間に渡って強いストレスを受け続けることでおこる、脳の機能障害です。
- 憂鬱で気分が重い(抑うつ)
- やる気が出ない、何をしても楽しくない
- 眠れない、寝ても目覚めが早い、一日中眠い
- イライラして落ち着かない
- 思考力が落ちる
- 食欲がない
- 死にたくなる
以上の様な症状が2週間以上ずっと続く場合、【うつ病】と診断されます。
身体が原因でうつになっている場合は、身体の病気の回復を優先させましょう。ストレスの原因になっているものが取り除かれると回復することがあるためです。
また抗うつ薬や抗不安薬、睡眠導入剤などの薬での治療方法もあります。並行して認知行動療法を行うのもおすすめです。
うつ病が原因でひきこもってしまった場合、まずは病院で治療することが優先されます。そもそもひきこもりのため、外に出られない方も多いでしょう。そんなときは、訪問診療を行っている精神科に相談してみることをおすすめします。
東京や大阪といった大都市だけではなく、福岡や北海道、沖縄などでも訪問診察を行っている所があります。保険が適用されるため、負担金額も高額にはなりません。
【精神病 訪問診療】で検索すると沢山出てきます。
場所によってはひきこもりの方の訪問診療を行っているところもあるため、気になる方は一度相談してみるとよいでしょう。
双極性障害・・・うつ病の様に酷く落ち込んでいる時期だけではなく、極端に調子が良くなり活発になる時期がある場合、双極性障害と診断されます。うつ状態の時に病院に行くケースが多いため、双極性障害を見逃されてしまうことも少なくありません。
躁状態の場合の特徴
- 睡眠時間が極端に少なくても平気
- 眠らなくても元気で活動できる
- ずっと話し続ける
- 他人の意見を聞かない
- アイデアは沢山出てくるが、それらを最後までやり遂げられない
- 根拠の無い自信
- 買い物・ギャンブルに高額なお金をかける
- 初対面の人に積極的に声をかける
- 性に対して奔放になってしまう
誰にでも気分の波はあります。しかし双極性障害の場合、例えば多額の借金を背負ってしまったり社会的信用を失う事件を起こしたりと、【度が過ぎる】場合はこの障害を疑う必要があります。
特にうつ状態の時は本人も治療に積極的ですが、気分がハイになる躁状態の時はあまり治療に積極的にはなれないことも。そのため、本人に自覚を促し、周りの方が中心になってサポートを行うことが大切です。
精神病勢(性)障害
いわゆる【統合失調症】などがそれにあたります。この他にもアルコールや覚せい剤、睡眠薬が原因で起こる精神病性障害や、脳血管障害や頭部外傷が原因の3つのタイプがあります。
- 妄想
- 幻覚
- 気分障害
- 解体した会話
などが症状に挙げられます。
特に統合失調症の場合、無気力な状態が続いた結果、ひきこもりになってしまうことも少なくありません。
とても重要なのは【早く治療を開始すること】です。
精神疾患が原因でひきこもってしまっているのであれば、
などを活用して治療にあたります。
もし、ひきこもり状態から脱することが出来そうな状態になれば、
自立支援医療や就労移行支援などの利用することで、社会復帰が出来るかもしれません。
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適応障害
何らかの強いストレスによって、そのストレスに対処できなくなり、肉体的に様々な症状が起こるものです。
- 涙もろくなったり、イライラして憂鬱な気分が続く
- 精神が過敏になって、パニック症状が起こることも
- 万引きや飲酒運転、無断欠勤といった「行動障害」が起こる
- 不登校・緘黙・ひきこもり
- 肩こり・頭痛・疲労感・動悸
人によっては【怠けている】と思われがちな病ですが、そんな事はありません。
一時的に現在ある環境に対応出来なくなった状態です。長引く場合は他の精神疾患を発症している可能性があります。
診断基準としては
- ストレスへの過剰な反応
- はっきりとしたストレス要因があり、その出来事からおよそ3か月以内に発症していること
- 社会的・学業・職業上の機能障害
- 他の精神障害ではないこと
が挙げられます。
有る環境・出来事が原因で発症しているため、ストレスの元になっているものから離れる・環境の改善を図るという対処法もとても重要です。
その後はストレス耐性をつけるため、心理カウンセリングを行うなど、薬物療法以外の治療法が社会復帰や再発しないようにするための重要なポイントと言えます。
混乱した情緒を落ち着かせることで精神が安定し、社会復帰しやすくなるでしょう。
その他
さまざまな精神疾患が原因ではない、ひきこもりのケースもあります。
そのような場合、ひきこもりを見てくれる病院の診察を受けることをオススメします。
あまり数は多くありませんが訪問診療を行っている所もありますので、活用してみると良いでしょう。
まとめ
ひきこもりの原因になる精神疾患を中心にご紹介しました。
ひきこもりの方が100人いれば、100通りの治療の仕方があるほどその原因や対処法は様々です。
健康な立場の人からすると【甘え】【怠けている】様に見えていても、ひきこもりの方本人としては【誰もわかってくれない】【動きたくても動けない】など、感覚のギャップが大きいのも、お互いの苦しみが解消されない要因になっているのではないでしょうか。
何故ひきこもってしまったのか。そしてひきこもりの方を苦しめているのは何なのか。
その原因が探れれば対処ができます。
あきらめずに生きていきませんか?
次回は、ひきこもりが社会復帰するためのプログラムがあるので、そちらをご紹介しようと思います。
いつも私のつたない文章を読んでいただき、誠にありがとうございます。
皆様にとって【幸せ】と思える瞬間が沢山ありますように。心から願います。