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引きこもりの実に95%が何らかの精神疾患!?引きこもりを脱する対策とは?①

おはようございます。笠森です。

 

昨日に引き続いて、【引きこもり】について、どのようにすれば良いのか、

データなどを用いながら、アホな私でもわかりやすい文章でお伝えできればと思っています。

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 引きこもりのほとんどが【精神疾患】を抱えている!?

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全国5カ所の精神保健福祉センターを訪れている、引きこもりの方152人の診断結果によると、

 

発達障害27%

不安障害24%

パーソナリティ障害18%

気分障害うつ病を含む】14%

精神病勢障害8%

適応障害6%

その他5%

 

なんと引きこもりの方の実に95%の方が何らかの精神疾患を抱えていることがわかりました。診断したのは、山梨県精神保健福祉センター近藤直司さんです。

 

公的機関が発表した研究結果からは、引きこもりの多くが精神的な病のため、【自分ではどうにも出来ない】部分があることが良くわかります。

 

そうは言っても【自宅から出られないなんて信じられない】という方もいるのではないでしょうか。

 

次の章では、引きこもりの方が抱えている病で最も多かった発達障害について、わかりやすく解説していきたいと思います。

 

引きこもりの約3割を占める【発達障害】の方は、物の見え方・感覚が他の人と違う!?

 
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発達障害には様々な症状がありますが、どれも【先天的な脳の機能】に偏りがあって、その結果社会生活を送るのが困難な状況に陥りやすいのが大きな特徴です。

 

 では何が違うのか?最も大きな特徴として、生まれつき【感じ方・見え方】が発達障害の人は独特であることが挙げられます。

 

人には通常【カクテルパーティ効果】と言って、雑音の中からある特定の人間の声を聞き分けたり、人の表情の変化を優先的に捉えようとしたりする機能が備わっています。

 

発達障害の人の場合、この【カクテルパーティ効果】の働きがない。ということが最近の研究でわかってきました。

 

 

www6.nhk.or.jp

発達障害を持つ人の世界では、外の世界は非常にまぶしく、なんでもない音が大音量に聞こえたりします。

 

例えば、カフェで二人おしゃべりをしたとしましょう。音の大きさのレベルは以下の表を参考にしてください。

 

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カクテルパーティ効果の機能を持っている人の場合、相手の声はそのまま、店内にあるBGMや他の人の会話は小さく聞こえます。

 

しかしカクテルパーティ効果の機能を持たない発達障害者の場合、BGMの音が大きく、相手の声を聞き取ることができません。

 

これは家庭内でも同様で、【何度言っても聞かない】のではなく、【聞き取れなかった】可能性があります。

 

この「感覚の違い」が理解できないと、親はイライラしてつい厳しく叱責してしまします。

 

 

子供にしてみればそもそも聞き取れないため何故怒られているのかわからず、自分に自信が持てません。

 

 

そのため【疎外感】【孤独】を感じてしまい、そのまま社会人になると「うつ」「不安障害」といった二次障害が起こる事も。

 

 

しかしこの【カクテルパーティ効果の機能】を持たないだけで、他は同じ人間です。逆にその他の部分はとても優秀な場合も少なくありません。

 

 

まずは【子育て】の段階で違いを理解し、発達障害を持つ人が生きやすい環境を作っていくことが大切です。

【みんなと同じ】じゃないことは【悪】なのか?日本と外国の発達障害の方への接し方の違い

 


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日本の教育現場では「協調性」を大事にされてきました。しかし海外では他の人と異なることは「個性」と捉えられる傾向があります。

 

 

そのため日本では【みんなと同じことが出来ない】【みんなに合わせられない】と、怒られたり否定されてしまったりと【生きづらさ】を感じやすいでしょう。

 

 

【空気を読む】ことを最優先されてしまう日本社会。どうしても発達障害を持つ「個性」とは相いれないものがあります。

 

 

しかし海外ではそんなに空気を読む必要はありません。そして協調性がなくても多様性を認める社会であるため、発達障害を持つ人にとって比較的「生きやすい」世界と言えるでしょう。

 

 

統計によると、日本は世界一発達障害自閉症自閉症スペクトラム)の人がダントツで多い国です。これは日本では近年発達障害のことが良く知られ始めたことも、少なからず影響しているのでしょう。

 

https://www.insidermonkey.com/blog/11-countries-with-the-highest-rates-of-autism-in-the-world-357960/?singlepage=1

 

こんなに発達障害を持つ人が多いのですから、出来れば国を挙げて対策を講じて貰いたいものです。

2005年以前に生まれた世代には、発達障害者に対する支援が無かった

ひきこもってしまうのには、原因があります。

 

 日本では、2005年4月に発達障害者支援法が施行されました。これにより18歳未満の発達障害を持つ人に対し、支援センターに通わせるなどの対策が講じられます。

 

 

発達障害は生まれつきの障害です。早めに発達障害であると診断されることで早期に問題無く集団生活が送れるようになります。

 

しかし2005年以前はこれらの対策を講じられず、支援もありませんでした。

 

 

知能に問題のない発達障害を持つ人の場合、生きづらさを抱えつつ社会に適応できない自分を責め続け、うつ病をはじめとする精神病を発症してしまうことも少なくありません。

 

 

引きこもりになってしまった人の中でも、発達障害が見逃された結果うつ病になり、いよいよ外に出るのも困難になってしまった人も多いのではないでしょうか。

 

 

平成21年度から引きこもり地域支援センターを各都道府県に設置するなどの対策が講じられるようになりました。平成30年度からは引きこもり対策推進事業の強化を発表。さらなる対策が期待されます。

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不安障害とは?家に出られないのは何故?

 
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不安障害とは、【自分に対する評価を極端に怖がる】障害です。社会不安障害とも呼ばれています。

 

主な症状として、

  • 人が沢山いる前で顔が赤くなってしまう。
  • 動悸がする
  • めまい
  • 汗が沢山出る
  • 吐き気
  • 顔がこわばる

 

といった症状です。一見するとすぐに治まる、大したことないものに思えてしまいますが、実際は日常生活を送るのが困難なほどの障害をもたらします。

 

日本での患者数は約300万人以上に上るのではないかという専門家もいるほど、比較的身近にある病です。

 

もともと引っ込み事案な人、失敗を認めたくない人、大きな失敗をした経験がトラウマになった人などがこの病気になりやすい傾向が。

 

そしてこの病気にかかった人は上記の症状が例え辛くても、家族にさえ訴えないケースもしばしばみられます。

 

相談することさえ【恥ずかしい】んです。

 

 

一人で抱え込んでしまうため、症状が悪くなって今度はパニック障害うつ病を発症し、ますます外に出る事が困難になってしまうことも少なくありません。

 

周囲の人が出来る事は、まずは【理解を示す】こと。無理をさせず、回復するのを根気強く見守ってあげてください。

 

治療としては薬物療法や集団心理療法、個人カウンセリングなどがあります。治療には時間がかかるかもしれません。不安障害が原因で引きこもってしまった本人はもちろん、見守る家族にとっても根気強さが求められます。

パーソナリティ障害とは?二次障害はあるの?

 
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パーソナリティ障害とは、多くの人とは異なる反応・行動をしてしまうことで周りはもちろん、パーソナリティ障害を持つ本人も苦しむ精神疾患です。

 

 

それぞれのパーソナリティ障害によってあらわれ方が異なりますが、ものの捉え方や感情、衝動性のコントロールといった部分に偏りがみられます。

 

引きこもりになりやすいパーソナリティ障害は、

回避性人格障害・・・人に非難されるのを極端に恐れ、周囲に好かれているという実感が無ければ人と付き合いません。

 

分裂病人格障害・・・回避性人格障害とは逆に批判や賞賛を求めず、人との付き合いの中で感情を表現しないのが特徴です。社会の中で中で孤立してしまい、引きこもりやすい傾向があります。

 

自己愛性人格障害・・・人からの評価にとても敏感で、人から特別に扱われることを求めます。引きこもりになりやすい障害です。

 

強迫性人格障害・・・融通の利かない完全主義者。0か100、白か黒、あるか無いといった極端な思考になりがちです。

 

などがあげられます。

 

パーソナリティ障害が原因で引きこもってしまう場合

 

本人が治療に積極的ではない

そのため支援が中断し、行き詰りやすい

他人と関わると心のバランスを失う

 

などの問題が生じるといった特徴があります。

 

以下内閣府が発表した、パーソナリティ障害に関する報告書です。

https://www8.cao.go.jp/youth/suisin/pdf/soudan/07/s8-2.pdf

 

本人が薬物治療をはじめカウンセリングを受けたり、時には入院措置をとるといった対策を講じるのはもちろん、家族にも家族療法や家族教室に通うなど、様々な対策を講じる必要があります。

 

まとめ


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一度壊れてしまった家族関係を修復していくのは、とても困難が伴います。また逆に命の危険を感じてしまうかもしれません。

 

 

行政など、他人が関わることで逆に問題解決が困難になることもあるため、慎重にことをすすめていく必要があります。

 

 

いづれにしても【あきらめない】ことではないでしょうか。

 

 

以下に内閣府が発表した、ひきこもり地域支援センターの設置状況リストのpdfファイルを添付します。

 

https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/000515493.pdf

 

まずはこちらにご相談することをおすすめします。

 

どうかどうか、ひきこもりの方も、そのご家族の方も問題を抱え込まず、周りの方に相談して下さい。

 

このような状況になってしまったこと、別に何も恥ずかしいことではないと、私は思います。

 

 

どうか、色んな人がいることを寛容に認められる社会になりますよう、心から祈ります。

 

つたない文章ですが、お読みいただき、誠にありがとうございます。

次回は今回お伝えした疾患以外の病が原因でひきこもりになった人について、色々書いてみたいと思います。

 

 

皆さまにとって、【幸せ】と思える瞬間が沢山ありますように。