ALS筋萎縮性側索硬化症と、脳性まひについて改めて調べてみた
おはようございます。笠森です。
世間は吉本興業さんの話題でもちきりですが、私の関心はれいわ新撰組から出馬し、見事当選された木村英子さんと船後靖彦さんのことが気になって仕方がありません。
約100万票もの個人票を得ながら落選した山本太郎さん。来年と噂される衆議院選挙では必ず当選されるでしょう。
これまでの「当たり前」をぶち壊し、良い意味で「台風の目」になっていくことを期待しています。
しかし、れいわで当選されたお二人について、病気のことなど知らないと「国会議員としてやっていけるのか。」などと疑問の声も聞こえているのが現状です。
個人的にもALSや脳性まひという病について知らないことが多いので、「命をかけて国会議員になる道を選んだ」お二人が今どのような症状を抱えているのか、同じ病を抱えている人達に私たちが考えるべきことは何なのか。まずはご病気について調べてみました。
ALS筋委縮性側索硬化症ってどんな病気ですか?
ALS筋委縮性側索硬化症とは、運動ニューロンと呼ばれる運動神経細胞が死滅したり変性するなどして侵されてしまう病気のことです。
発症年齢は50~74歳。今回参議院選挙で当選された船後靖彦さんは41歳での発症ですから、比較的早い年齢での発症になります。
2016年難病情報センターの情報によると、ALSの国内患者数は9600人。比較的男性患者が多いです。
また、世界的に高齢者が増えていることもあって、今後も患者数が増えることが予想されています。
ALS筋萎縮性側索硬化症の症状とは?
- 手や指の筋力が衰える。そのために箸やペンが握れなくなったり腕が上がりにくくなる
- 左右片方のみ足の力が弱くなる。足に突っ張りがあり、歩きにくくなる
- 食べ物が飲みこみにくい。話しにくい。
- 顔、あるいは手足の筋肉の表面がわずかながらに痙攣する
- これらの症状が徐々に強くなる
これは一般的な症状ですが、患者さんによってはいきなり呼吸筋が麻痺してしまうこともあるようです。
この病気によって、意識障害が起きることはありません。ただ、呼吸器官が麻痺してしまうと、意思疎通が難しくなります。
その場合まばたきや脳派の動きなどで意思疎通が可能です。
アイス・バケツ・チャレンジで支援を受けた病
近年ではSNSで「アイス・バケツ・チャレンジ」が流行りました。これはSNSで氷水を頭からかぶった動画を公開。それを次にやって貰いたい人に伝え、指名された人は「頭から氷水をかぶる動画をSNSで公開」あるいは「100ドルをALS支援団体に寄付」するかまたは両方行うか選択させるというものです。
世界中のセレブや大金持ちもチャレンジを行い、多くの寄付が寄せられました。しかし頭から氷水を被るというパフォーマンスからより過激な行動をとったり不幸な事故によって命を失う方もいたため、活動に関しては賛否両論が巻き起こっています。
しかしこの寄付によって立ち上がったALS研究プロジェクトによって、治療に重要な遺伝子が発見されるなど成果があったことも事実です。
これから更にこの病気のメカニズムが解明されることが望まれます。
映画「博士と彼女のセオリー」のモデル、スティーブン・ホーキングさん
スティーブン・ホーキングさんというイギリスの物理学者をご存じでしょうか。学生のころにALSと診断されながら物理学者として確固たる地位を確立。数多くの賞も受賞しています。
このホーキング博士がモデルの映画「博士と彼女のセオリー」が2014年に公開されました。
このお話は、ホーキング博士の初婚のお相手との恋愛のお話しです。アカデミー賞にノミネートされるなど、映画作品として高い評価を得ています。しかしホーキング博士がなぜ世界中から評価される物理学者になったのかの掘り下げが足りない。などの批判も浴びています。
視覚的に病気のことが把握できるため、興味のあるかたは一度ご覧になることをおすすめします。
こうやって簡単にまとめることはできましたが、この病に侵され、ちゃんと意識はしっかりしているのに体は思うように動かない。意思疎通が難しくなっていくため、ものすごい孤独を感じてしまうのではないか。私なら自暴自棄になってしまうのではないかと思ってしまいます。病の苦しみはもちろん苦しいですが、「孤独」の苦しみは精神的なダメージも大きいのではないでしょうか。
そんな色んな葛藤を乗り越えて、世の中を変えようとしている船後靖彦さん。尊敬します。何が出来るかわかりませんが、誤解や偏見をなくすため、今回得た知識を周りの人に伝えて行こうと思います。
脳性まひってどんな病気?
脳性まひとは、妊娠中、あるいは生後1か月の間に起こった脳の損傷によって起こった運動障害ことをいいます。
脳性まひの定義において、「知的障害」「進行性」のものは含まれていません。
一部では脳性まひは妊娠中や産後の「低酸素」が原因でなると思っている方もいますが、普通に子供が生まれたとしても、その後脳性まひになることも少なくないようです。
それよりも、難産であったり低体重児であることの方がこの病気の発生との関わりが大きいとされています。
この他にも妊娠中に風疹にかかったり薬物や毒物の中毒の影響で脳性まひになる可能性も否定できません。
出産後黄疸が出たり、感染症が原因で脳炎を発症し、脳が損傷を受ける事もあります。
脳性まひの症状
- 麻痺した手足が硬直する
- なかなか首がすわらない
- 寝返りができない
- お座りができない
- 股関節の脱臼・関節の変形
などが挙げられます。
現在の医療において治療法はなく、今後の研究によって治療の進展が望まれます。
木村英子さんのケース
木村英子さんは玄関から歩行器ごと落ちてしまうという不幸な事故によって、頸椎を損傷。
脳性まひの場合生後1ヶ月の間に起こった脳の障害のことを言いますが、木村さんの場合生後8か月での事故のため正確には脳性まひとは言わないかもしれません。
車椅子を動かすための右手以外は体はほとんど動かないようです。しかし19才で親元から離れて自立した生活を送っているだけではなく、長い間障害者支援や自立支援を行うなど社会と長い間関わってきた方です。
自身が障害を持ちながら社会と関わっていく。私はなかなかできることではないと思います。
私は今原因のはっきりしない病気で杖をついて歩くことが増えていますが、はっきり言って恥ずかしいです。
なので伝い歩きが出来たり、ちょっとした距離を歩くだけなら杖を使わずに歩いています。
そのため外出するのも必要最低限になってきているのが現状です。私だけかもしれませんが、「人と違う」ことで負い目を感じている人は少なくないのではないでしょうか。
そんな中木村さんは自立をして、これまでの支援活動だけでもご立派なのに、世の中を変えようと選挙に出馬するなんて、並大抵の覚悟ではありません。
これから色々と困難なことがあると思いますが、私は応援します。
「税金の無駄遣い」と批判している人達に伝えたいこと
今回、障害をお持ちの方が当選され、国会に出席するだけで様々な配慮が必要になります。
また「お金目当てではないか」という見方をする方もいて「何もできない」「税金の無駄遣い」と批判する人も少なくありません。
ちょっと待ってください。
私たちが生まれてこれまでの間、税金を使ったことが無い人はほとんどいないと思います。子供のころは医療費が無料であったり、義務教育の間も授業料は取られていなかったはずです。
これらのお金は税金から支払われています。
自分が大人になって税金を払う側になると、自分がしてもらったことは忘れてしまいがちですが、強い人が弱い人を助けるのが当たり前ではないでしょうか。
この方たちは嘘をついて税金を奪った訳でも、脱税した訳でも、反社会勢力と知りながらお金を受け取った訳でもありません。
どうしてそんな悲しいことが言えるのか・・・。
もう自分の「影」を相手にぶつけるのはやめにしませんか?
みんなで幸せになろうと目指すのは幻想なのでしょうか。
無理でも、希望を持つことは大切だと思います。
今後れいわ新撰組、木村英子さん、船後靖彦さんの活躍を心から祈ります。
私のつたない文章を読んでいただき、誠にありがとうございます。
皆様にとって「幸せ」と思える瞬間が沢山ありますように。心から祈ります。